精神的に安定した状態で活動するためにも転職活動は在職中や失業保険を受け取りながらおこなうべきです。
しかし、すでに退職してしまっている上に失業保険が受け取れず困っている方も多いのではないでしょうか?
また、収入源がなくなってしまうリスクは理解しているものの、
それでも今すぐに退職したい!
と考えている方も少なくないでしょう。
そういった方におすすめなのが、転職活動中の「つなぎバイト」です。
この記事では、転職活動中の貴重な収入源になるつなぎバイトについて紹介していきます。
「転職活動中のつなぎバイトはおすすめできるのか?」という点やつなぎバイトをする上での注意点などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
転職が上手くいかないときに検討するべき「つなぎバイト」とは

つなぎバイトとは、次の仕事が決まるまでの間、期間限定でおこなう腰掛け仕事のようなバイトを指す言葉です。
企業の社員として働いている方が退職する場合、転職活動をおこなって次の仕事を探すことになります。
今の仕事を続けながら転職するのであればお金について特に心配する必要はありませんが、退職した後で転職活動を始める場合は収入が途絶えてしまうことになります。
短期間で次の仕事が決まれば貯金を切り崩して対応できなくもありませんが、必ずしも転職活動がうまくいき、次の仕事がすぐに見つかるわけではありません。
また、お金の心配があると精神的に疲弊してしまい、ますます転職活動がうまくいかなくなってしまいかねません。
ブラック企業と呼ばれる、本来であれば避けるべき会社に転職してしまう可能性もあります。
また、現在勤めている会社が激務で、
転職活動のための時間を確保できない…!
という場合の手段としてもつなぎバイトは有効だと言えます。
転職活動は交通費など何かとお金がかかってしまいがちなので、転職活動のためのお金を稼ぐための手段としてもつなぎバイトは効果を発揮してくれます。
つなぎバイトを始めるときの3つの注意点

転職先が決まるまでの収入源として活用できるつなぎバイトですが、実際につなぎバイトを始める場合、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。
つなぎバイトを始めるときの主な注意点としてあげられるのは以下の3点です。
- あくまでメインは「転職先を見つける」こと
- 転職活動に支障の出ない時間帯のバイトを探す
- 融通のききやすいバイトを探す
それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
①あくまでもメインは「転職先を見つける」こと
つなぎバイトは一時的に収入を確保するための手段でしかありません。
転職活動に取り組む方の目的は転職先を見つけることで、そこをメインとして考えなくてはいけません。
しかし、今勤務している企業を退職してつなぎバイトを始める方の中には、いつの間にかつなぎバイトがメインになってしまう人が結構な割合でいます。
転職がうまくいかず、何社も不採用になっているうちに転職することを諦めてしまい、そのままアルバイト生活をダラダラと続けてしまうのです。
転職は根気と気力のいる作業ですので諦めたくなってしまう気持ちもわからなくはありません。
また、つなぎバイトは期間限定の収入源として捉えられてしまいがちなので、やりがいを感じて働く人は決して多くありません。
そのため、貴重な経験を得られることや社会人として成長できることが少なく、ただ時間を浪費してしまうケースがほとんどです。
そうなってしまわないためにも、「つなぎバイトはあくまでも収入を得るための手段である」ということをしっかりと理解し、転職活動が後回しになってしまわないよう注意しましょう。
②転職活動に支障の出ない時間帯のバイトを探す
つなぎバイトをするのであれば、バイトの時間帯についても注意しなくてはいけません。
転職時の面接はどの業界のどの企業であっても平日の朝〜夕方にかけておこなわれます。
基本的にその企業が営業している時間帯におこなわれると考えておくべきです。
また、企業によっては土日に面接が組まれることもありますし、転職フェアに参加する可能性もありますので、土日に休みを入れられるようなバイトが理想だと言えるでしょう。
これらの条件を重視しすぎると、
朝の早い時間や夜に面接を入れられたときに対応できないのでは?
と考えてしまうかもしれません。
しかし、あまりにも早い時間帯や夜遅くに面接を設定するのは少し常識が欠けてしまっている企業だと言わざるえません。
また、どの業界も深夜から早朝にかけての時給が高くなる傾向にあるためこの時間帯のバイトを選んでしまいがちですが、夜遅くや朝方まで働くのはあまりおすすめできません。
翌日に面接が入ったとしても十分に睡眠時間を確保し、余裕をもって面接にのぞめるような時間帯のバイトを選ぶようにしてください。
③融通のききやすいバイトを探す
転職活動をしていると、面接など急に何かしらの予定が入ることが多々あります。
その際、せっかくのチャンスを「その日はバイトが入っているから…」という理由で逃してしまうことがないよう、なるべく融通のききやすいバイトかどうかも考慮しながらつなぎバイトを探すようにしましょう。
アルバイトだとしても仕事に穴をあけてしまうことはよくありませんし、なるべく回避するべきです。
しかし、あなたの目的はあくまでも転職先を見つけることであって、バイトを頑張ることではありません。
ただ、連絡もなしに休むことと、きちんと連絡した上で休むことは大きく異なります。
面接の時点で転職活動中だということを正直に話し、
急に休むことがあるかもしれませんが、大丈夫でしょうか?
と事前に確認しておくといいかもしれません。
「つなぎバイト」はおすすめなのか

転職を考えている方や現在転職活動中の方がつなぎバイトについて考える上でもっとも気になるのが、
- つなぎバイトはするべきか
- 転職活動中のつなぎバイトはおすすめか
という点についてかと思いますが、先ほど紹介した3つの注意点を踏まえて働けるのであれば、つなぎバイトはおすすめだと言えます。
ただ、バイト先が良い職場で楽しく働けるやりがいのある職場であったとしても、あくまでも転職先が見つかるまでのつなぎの職場でしかありません。
そのため、バイトを優先するようなことがあってはいけませんし、バイトを頑張りすぎて転職活動に支障が出るような事態は避けるべきです。
アルバイトから社員を目指す
つなぎバイトはあくまでもバイトであって優先するようなことがあってはいけないと解説しましたが、一部例外もあります。
例えば、未経験の業界や職種に挑戦する場合、社員として採用してもらうのはハードルが高く、簡単ではありません。
実際、経験がないことから採用にいたらず、なかなか転職できずにいるという経験をされたことがある人も多いのではないでしょうか?
そのため、未経験の業界や職種に挑戦する場合であれば、むしろアルバイトを何よりも優先して頑張るべきだと言えるでしょう。
また、バイトを続ける中で社員として働きたいと思えるようなバイト先なのであれば、本気で社員を目指してみるのもおすすめです。
社員になりたいと思えるほど真剣になれる仕事と出会える機会はそうあるものではありません。
その仕事があなたにとっての天職である可能性もあります。
ただ、「社員になることを前提としていなかったものの、気づいたら社員になっていた」という流れで社員になるのはおすすめできませんので、しっかり将来を見据えて検討するようにしましょう。
つなぎバイト以外の2つの対処法

転職活動中に生活費や転職活動にかかるお金を稼ぐ手段の一つで、3つの注意点に注意しながら働けるのであれば特に問題はありません。
しかし、転職活動の目的はあくまで転職先を見つけることですので、つなぎバイトをせずに転職活動に集中できる方法はないのでしょうか。
そこでここからは、
- 転職先が決まるまで退職しない
- 失業保険の制度を活用する
という、つなぎバイト以外の対処法について詳しく解説していきます。
①転職先が決まるまで退職しない
転職を検討してはいるものの、まだ今の職場を退職していないのであれば、転職先が決まるまでは退職するべきではありません。
現在の仕事が忙しく転職に割く時間を確保できなかったり、今の仕事を続けるのが肉体的・精神的につらかったりするのであれば話は別ですが、今の時点で収入源があるのであれば、わざわざその収入源を手放すべきではありません。
転職を考え始めた場合、退職することで頭がいっぱいになり、
早く退職したい!
という気持ちになってしまうこともあるでしょう。
しかし、勤務しながらでもできることはありますし、より効率的に取り組める転職エージェントなどのサービスもあります。
また、つなぎでバイトをする場合も、採用が決まるまでにはある程度時間がかかりますし、手間もかかります。
まずは在職しながら転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?

②失業保険の制度を活用する
転職するのであれば、なるべく在職中に転職活動を始めるべきですが、
今の職場を一日でも早くやめたい…!
というほど追い詰められている方もいるかと思います。
そういった方は、つなぎバイトを前提に考えるのではなく、まずは失業保険の制度を活用できないか確認してみてください。
失業保険は一日でも早く再就職するために支給される手当なので、受け取れるのであれば遠慮せずに受け取るべきです。
しかし、受け取るには条件を満たしている必要があるため注意しなくてはいけません。
【自己都合で退職した一般離職者の場合】
- 「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること」と定められています。
【会社の倒産など会社の都合で退職しなければいけなくなった特定理由離職者の場合】
- 「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること」と定められています。
受け取れる金額や期間は条件によって異なりますが、転職活動中の収入源としては十分です。
そのため、受給のための条件を満たしていて受け取れるのであれば、わざわざバイトを探す必要はありませんし、つなぎバイトをする必要もありません。
すでに退職してしまっている場合やどうしても今の職場をすぐに退職したい場合は、つなぎバイトを検討する前に失業保険を受給できないかどうかを確認してみましょう。
つなぎバイトの経歴を履歴書に記載するべきケースと記載しなくていいケース

転職活動中につなぎバイトをする場合、気になるのが、履歴書へのつなぎバイトの経歴を記載するべきかどうかについてです。
「アルバイトでもしっかりと記載するべき」という意見と「アルバイトならわざわざ記載しなくてもいい」という両方の意見があるため、混乱してしまっている方も多いのではないでしょうか?
ただ、つなぎバイトの経歴を履歴書に記載するべきかどうかはそれぞれのケースによって異なるため、一概に「こうするべき」とは言えません。
つなぎバイトの経歴を履歴書に記載するべきケースと記載しなくてもいいケース、両方のケースについて詳しく解説していきます。
つなぎバイトの経歴を履歴書に記載するべきケース
転職活動をおこなっていると、なかなか転職先が決まらず、想定していたよりも転職期間が長引いてしまうケースが多々あります。
その場合は、つなぎバイトを経歴として履歴書に記載するべきです。
転職は今後の人生を左右する大きなイベントであるため、一ヶ月程度以上かかってしまうことも珍しくありません。
また、3ヶ月程度であれば「じっくり取り組んでいた」など、長引いてしまった理由を説明すれば特に不審に思われることはないでしょう。
しかし、3ヶ月以上期間があいてしまうと、
その間何していたの?
バイトをしようとは思わなかったの?
など、面接のときにツッコまれてしまいかねません。
また、つなぎバイトで得た経験や知識、スキルをアピールしたい場合も経歴として履歴書に記載するようにしましょう。
例えば、飲食業界への転職を希望している方が飲食店でつなぎバイトをしている場合、業界が一緒なのでアピールしやすいです。
もちろん、転職の希望先とつなぎバイトの業界が違う場合でも、プラスになるような経験や知識、スキルを得たのであれば、採用につながる可能性もゼロではありません。
アピールできそうなポイントがあるのであれば積極的に履歴書に記載するようにしましょう。
つなぎバイトの経歴を履歴書に記載しなくてもいいケース
転職期間がそこまで長引いておらず、特にアピールしたいポイントがないのであれば、わざわざバイトの経歴を履歴書に記載する必要はありません。
記載しても特に問題はありませんが、転職を希望している業界とつなぎバイトの業界が異なる場合、面接でそのことを聞かれてしまう可能性があります。
また、アルバイトで得た経験や知識などについて変にツッコまれてしまうような事態を避けるためにも、アピールポイントが特にないのであれば、記載する必要はないでしょう。
転職期間が1〜3ヶ月程度であれば転職期間の長さについて聞かれることもないでしょう。
仮に理由を聞かれてしまったとしても、「じっくりと腰を据えて取り組みたかった」と説明すればそれ以上追求されることはないでしょう。
そのため、そういったケースではつなぎバイトの経歴を履歴書に記載する必要はありません。
まとめ

転職活動に取り組む際のつなぎバイトについて紹介してきました。
つなぎバイトは転職活動において貴重な収入源になります。
そのため、今勤めている企業を退職してから転職活動をスタートさせたいと考えている方やすでに退職してしまっている方にはおすすめだと言えるでしょう。
ただ、つなぎバイトが転職活動に影響をあたえるケースも少なくありません。つなぎバイトをしている安心感からズルズルとバイトを続けてしまう人も大勢います。
可能であれば今の仕事を続けながら転職活動をスタートさせ、早く転職するためにも転職サイトや転職エージェントを積極的に活用するようにしてみましょう。
